尿路結石や慢性腎不全といったオシッコに関係する病気は
猫の宿命とも言われています。
そういった病気への予防という意味でも、水分補給はとても大切です。
でも猫って、なかなか思うように水を飲んでくれませんよね。
今回は猫に水を飲ませるための簡単で効率的な方法をお伝えします。
●猫に水を飲ませるための効率的な方法
猫に効率良く水を飲んでもらうには、食器の工夫とご飯の工夫の2つのアプローチがあります。
食器の工夫
選び方
これはよく言われていることですが、猫は食器にひげが当たるのを嫌がって、
食べたり飲んだりするのをやめてしまうことがあります。
ですから食器を選ぶときは、ひげが当たらないように、
猫の顔よりも一回り大きい食器を選んであげてください。
また食器には瀬戸物、ガラス、金属、プラスチックといろいろな種類がありますが、
僕の経験から言うと、瀬戸物の食器が一番良いんじゃないかと思いますね。
プラスチックは長年使いこんでしまうと、衛生面で若干不安が出てきますし・・・
置き場所
ご飯の食器は一つで良いのでうすが、水飲み用の食器は複数用意してあげるのがポイントです。
そのうちの一つは、もちろんごはんの食器の近くに置いて、
食事のついでに水が飲めるようにしてあげます。
その他の食器は、猫のお気に入りの寝場所の近くとか、行き来する動線に複数置いてあげて
猫が気が向いたら、いつでも水が飲めるようにしてあげると良いですよ。
もちろん同じ水を入れたまま、何日も出しっぱなしではいけません。
最低でも1日に1回は入れ替えて、その都度、食器もきれいに洗ってあげてください。
できるだけ清潔な食器で、新鮮な水を飲ませてあげましょう。
うちの場合も全部で5か所、ケージの中や猫の通り道に水飲み場を作っています^^
ご飯の工夫
ご飯の工夫というのは、猫が水をなかなか飲んでくれないのなら
食べることで水分を摂らせる工夫をしてみよう、ということですね。
この発想は凄く大切です。
ウェットフードの水分含量は約75%、ドライフードでさえ約10%は水分です。
ウェットフードにも総合栄養食がありますので、
これを主食にしてあげると効率よく水分を摂取できます。
またスープ仕立てになっているウェットフードをドライフードにかけてあげたり、
ドライフード自体を水や、魚や鶏肉などのゆで汁でふやかしてあげたり・・・
食べることで、同時に水分を摂らせる工夫をしてあげるというのは理にかなった良い方法ですよ。
飲むと危険な水
猫に飲ませる水は、基本的には水道水でOKです。
どうしてもミネラルウォーターを与えたいという場合は、軟水を選んであげてください。
硬水のミネラルウォーターは、カルシウムやマグネシウムなどが多く含まれていて、
猫に飲ませると消化が悪く、腎臓に負担がかかってしまいます。
尿路結石の原因にもなるので絶対に飲ませてはいけません。
また魚や鶏肉のゆで汁を与える場合は、塩や醤油などの味付けは厳禁です。
塩分の取りすぎも猫の腎臓に物凄く負担がかかります。
猫の平均体重は3~5kgです。
3kgの猫なら60kgの人間の1/20の体の大きさです。
人間の物差しで考えたらいけないということですね。
花瓶の水も植物安定剤や肥料などを入れてる場合は結構危険です。
中でもユリの花が生けてある場合は最大限の注意が必要です。
猫にとってユリ科の植物は、花や葉っぱはもちろん、花粉を少し口にするだけでも
急性腎不全で死に至る危険があります。
花瓶の水を飲むだけでも健康を害する可能性がありますので、
猫を飼うのならユリの花などの観葉植物を部屋に飾ることは諦めるべきです。
猫が1日に必要な水分量
猫の平均体重は3~5kgです。
例えば4kgの猫でしたら、1日に必要な水分量は約260mlと言われています。
5kgの猫なら約280mlです。
ジュースの自動販売機で小さ目のペットボトルのコーラが売ってますよね。
あれがちょうど280ml。
1日に280mlの水を猫に飲ませようと思ったら、やっぱりハードル高いですよね。
ですからさっき説明したように、食べることで水分を摂らせる工夫をすることが
すごく大事になってくるわけです。
猫の祖先は砂漠暮らし
猫の祖先は砂漠で暮らすリビアヤマネコという肉食動物でした。
想像を絶する暑さの中で、思うように水分補給もできないような過酷な環境で生活していたのです。
貴重な水分をむやみに対外に排出すれば、すぐに脱水症状を起こしてしまいます。
だからリビアヤマネコは水はあまり飲まず、老廃物をたっぷり含んだ濃縮されたオシッコを少しだけ・・・
そういう風に、体の仕組みを過酷な砂漠での生活に適応していったのです。
腎臓は血液をろ過して、体内の老廃物をオシッコとして排出する臓器です。
水をあまり飲まず、濃縮された少量のオシッコをする猫の体の仕組みは、
どうしても腎臓に負担がかかってしまいます。
オシッコが濃くなると尿路結石や膀胱炎といった病気にもなりやすくなります。
このように慢性腎不全や尿路結石、膀胱炎といったオシッコにかかわる病気は、
猫の祖先から伝わる宿命といっても過言ではありません。
これらの病気を予防するという意味でも、
猫にしっかり水分補給させることはとっても大切なことなのです。
最後に
人間の場合でも、1日に必要な水分量は3.5リットルと言われていますが、
食べ物からも水分を摂取できますので、実際に飲み水として摂取すべき量は2リットル前後になります。
人間も猫もその辺は同じということですね。
この考え方をうまく活用すれば、猫の水分補給に関する悩みはだいぶ軽減されると思います。
また猫の動線に水飲み用の食器を複数置いてあげるのも、僕の経験上、効果が高いですよ。
是非、試してみてくださいね(^^)
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