ペットフード売り場に行けば、実に様々な種類のキャットフードが売られています。
家の猫に合った商品を選んであげるためには、ある程度の知識が必要です。
今回は僕の家であげているキャットフードを例に取りながら、
種類や選び方について、最低限知っておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
キャットフードの目的をはっきりさせる
キャットフードを選ぶときの最初のポイントは、
目的をはっきりさせてそれに合った商品を選ぶということです。
ここでいう目的とは・・・
- 主食として与えるか
- 主食以外の副食・おやつとして与えるか
ということです。
それでは1つずつ見ていきましょう。
主食として与えるフード
総合栄養食
主食として与えるフードはパッケージに総合栄養食と表示されている商品を選びます。
総合栄養食は、そのフードと水だけで猫の健康を十分に保つことができるように、
必要な栄養素がバランス良く調整して配合されています。
与える際の注意点としては、対象年齢によって種類が分かれているということです。
「子猫用」「成猫用」「7歳以上」「11歳以上」という風にラベルに表示されていますので、
猫の年齢に適した商品を選んであげることが大切です。
また総合栄養食の中には、例えば次のように健康面での効果をうたったものもあります。
- 毛玉対策
- 肥満対策
- 歯垢・歯石対策
こういったフードは、長期間食べることでその効果が発揮されます。
一度決めたら、しばらくは同じフードを与え続けるようにしましょう。
【僕の家の場合】
僕の家の場合は、あまり高価なキャットフードは買ってあげられないので、
近くのスーパーで「ペットフード3割引き」といった安売りの日にまとめ買いする感じです。
食いつきの良さからカリカリ(ドライフード)よりも
猫缶(ウェットフード)を選んであげることが多いです。
主食としてよくあげているのが、例えば「モンプチ」です。
ラベルに「総合栄養食」「成猫用」としっかり表示されています^^
AAFCOについて
モンプチのパッケージの表示を見ると・・・
『キャットフード/総合栄養食(成猫用)
この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、
総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。
AAFCO(米国飼料検査官協会)の成猫用栄養基準を満たしています。』
と書かれています。
まずはこの部分で成猫用の総合栄養食であることをしっかり確認します。
AAFCOというのはペットフードの栄養に関する情報を消費者にわかりやすく伝えるため、
ガイドラインを定めているアメリカの公共機関のことです。
日本では「アフコ」と呼ばれていて、総合栄養食の基準も設定しています。
この基準に沿って日本のペットフード公正取引協議会が
「この商品は総合栄養食です」と認定している訳です。
食事療法食
総合栄養食の他に、もう1つ主食として使えるフードがあります。
それは食事療法食と呼ばれるフードです。
食事療法食とは、猫の体調や疾患などの悩みに合わせて
栄養素が調整されていて、体調の改善が期待できるフードのことです。
ただし食事療法食は間違ったものを与えてしまうと
かえって体調を崩してしまいますので、自己判断で与えるのは大変危険です。
かかりつけの獣医に相談して、
「これを与えるように」と指示されたものを与えることがとても大切です。
【僕の家の場合】
僕の家では現在4匹の猫を飼っているのですが、
そのうちの2匹のオス猫が以前、尿路結石を患いまいした。
そこでかかりつけの獣医の指示で、
ずっと主食として与え続けているのがロイヤルカナンの療法食です。
動物病院でまとめ買いさせてもらっています。
主食以外の副食・おやつ
副食となるフードは「一般食」と表記されることが多く、
これは人間でいうと「おかず」にあたるモノです。
これだけでは栄養が偏ってしまいますので、
あくまでも総合栄養食のトッピングとして与えることが大切です。
僕の家でよく使っているのは、例えばコレです。
「一般食キャットフード」
「総合栄養食と一緒にお与えください」としっかり表示されています。
おやつは文字通り「おやつ」という意味です。
煮干し、ジャーキー、チーズなど様々な種類があります。
与えすぎると肥満につながるので、
食欲がないときや、ご褒美としてなど、特別な場合にだけ与えるようにしましょう。
僕の家では、やっぱり有名なチャウチュールとか、よく使いますね^^
水分の含有量による分類
キャットフードは水分の含有量によって
ドライ、ウェット、セミモイストの3タイプに分けれらます。
ドライタイプ
ドライタイプとは水分含有量10%以下のキャットフードのことです。
高タンパクの肉や脂肪に穀類や灰分を配合して、乾燥させたタイプです。
栄養分が高い濃度で集約されていて、バランス良く調整されています。
繊維質が多く含まれているため、猫の消化活動を助けてくれます。
またカリカリとした適度な硬さが歯石予防の効果になります。
ドライタイプのフードに含まれる水分量は非常に少ないので、
与える場合は一緒に水もたっぷり飲ませるようにしましょう。
1ケ月以内に食べきれるサイズを目安に
ドライフードは常温で保存可能ですが、
開封すると酸化が始まって鮮度が落ちていきます。
安いからといって大容量のものを買うのではなく、
最適な内容量のモノや個包装になっているモノを選んであげたいものです。
一般的には1ケ月以内に食べきれるサイズがベストだと言われています。
100グラム以下の個包装だと酸化しにくく、猫の食いつきも落ちにくいでしょう。
ウェットタイプ
ウェットタイプとは水分含有量75%以上のキャットフードです。
ウェットタイプは主に「ネコ缶」と呼ばれる缶詰やレトルトパックの状態で販売されています。
カツオやマグロなどの魚や肉の素材をそのまま生かし、
それらにカルシウムやビタミンなどの栄養素が加えられ猫用に仕上がっています。
含まれる水分量が高く、消化しやすい肉のタンパク質を多く含んでいます。
においが強く肉の食感が残っているため、猫の満足度も高いのが特徴です。
ただし価格がやや割高なことと、食べかすが残りやすいため歯石や口臭の原因になりやすいのが難点です。
残した場合はラップして冷凍保存が必要になります。
ただし再度与えるとき、冷たいものを与えても猫は食べません。
なぜなら猫は食べ物の匂いを味わう生き物だからです。
冷たいと匂いがしないので、おいしいと感じないのです。
適度に温めてからあげましょう。
なおセミモイストタイプとは、水分含有量が25~35%のいわゆる半生タイプのことです。
キャットフードの原材料と成分は大切な選択ポイント
キャットフードを選ぶ際には、パッケージの表示内容をよく見ることが大切です。
中でも「原材料」と「成分」は大切な選択ポイントです。
先ほどのモンプチを例に取ってご説明しますね。
原材料
原材料は使用量が多い順に記載しなければならないと規則で定められています。
この順番を見ることで、何がメインのキャットフードなのかを判断することができます。
一番目に穀類が書いてある商品よりも、
肉類、魚類が書いてある商品の方が品質が良いフードと言えます。
モンプチの原材料を見てみると次のように表示されています。
【原材料名】
- 肉類(ポーク、チキン)
- 穀類(小麦グルテン等)
- 豆類(大豆たんぱく)
- 増粘安定剤(加工でんぷんミネラル類アミノ酸類)
- 着色料(酸化チタン)
- ビタミン類
肉類
今回例に挙げたモンプチは肉類が最初に来ていますので、肉がメインの猫缶になります。
肉にしても魚にしても「ポーク」「チキン」「ターキー」「サーモン」という風に、
その種類を明記しているキャットフードは質が良いと判断できます。
反対に気を付けなくてはいけないのは、原材料表の肉類の表示で、
「肉副産物」「ミートミール」「フィッシュミール」などと記載されている場合です。
これらは質の悪い肉を使用している可能性があります。
どのような動物の肉の、どんな部分を使っているのか分からないので、安全性が不透明です。
たとえ値段が激安だったとしても避けた方が安心です。
穀類
穀類は食物繊維が摂取できるので、腸内環境の維持・改善に効果が期待できます。
ただ肉よりも安い材料なので、価格を抑えるための
「かさまし」として使用されている面もあります。
完全肉食動物の猫は穀物の消化が得意ではありません。
穀類が最初に表示されているキャットフードは、避けてあげた方が良いですね。
添加物
増粘安定剤や着色料といった添加物も含まれていますね。
今回のモンプチはウェットタイプですが、
ドライタイプのカリカリなら酸化防止剤も含まれているはずです。
もちろん無添加のキャットフードもありますが、
僕としては必要以上に気にしないようにしています。
保証成分
キャットフードには「保証成分値」という表示項目があります。
商品の成分を分析して栄養の割合を%(パーセント)で表示したものです。
ペットフード公正取引協議会によって
「たんぱく質」「脂質」「繊維」「灰分」「水分」の5項目の表示が義務付けられています。
今回のモンプチでは次のように表示されています。
【保証成分】
- たんぱく質11%以上
- 脂質2%以上
- 粗繊維1.5%以下
- 灰分3%以下
- 水分80%以下
「たんぱく質11%以上」というのは、「この商品全体(100%)の成分の中で、
たんぱく質が最低11%以上を占めています。」という意味です。
猫の成長に欠かせないたんぱく質と脂質に関しては、
最低限含んでいる量を保証するという意味で、「〇%以上」と記載されます。
それに対して、繊維や灰分、水分に関しては、
多すぎるとカロリーが低下したり他の成分を必要量摂取できなかったりすることから、
「○%以下」と記載されます。
なお灰分とは、ナトリウムやカルシウムなどのミネラルの総量のことです。
多すぎると結石の原因になります。
またモンプチの成分に記載されている「粗繊維1.5%以下」の
「粗」という文字は、「ほぼ」という意味です。
これは目的の成分だけを測定することが難しいため、
「少し他のものも混ざって計算している」という意味です。
「粗」というのは栄養学的には重要な概念ですが、
一般的に成分表を見る場合はあまり気にしなくても大丈夫です。
表示が義務付けられている5つの成分のうち、特に注目してみるべきなのは「たんぱく質」です。
重要なたんぱく質
猫は完全肉食動物です。
動物性たんぱく質を栄養源とするため、
フードに含まれるたんぱく質含有率は高い方がおすすめです。
AAFCOの基準では、たんぱく質含有率は、
成猫用で最低26%以上、子猫用で最低30%以上が望ましいと定められています。
ただしこれはドライタイプ(カリカリ)の場合です。
ウェットタイプのキャットフードの場合、水分が多く含まれているために
たんぱく質含有率が低めになっています。
目安としてウェットフードでは、
たんぱく質含有率がだいたい10%以上の商品がおすすめです。
ちなみにモンプチは11%以上なので合格ですね^^
最後に
僕の家では、今まで10匹以上の猫を飼ってきました。
値段の高い高級なキャットフードはあげたことはなく、
いつもスーパーやドラッグストアで売っている商品ばかり買ってきました。
それでもみんな15年とか、長生きな場合は20年とか、みんなご長寿猫になってくれました^^
ドライタイプの総合栄養食(カリカリ)と水だけで猫が満足してくれるのなら、
それがベストだと思います。
カリカリが食いつきが悪いという場合は、ウェットタイプの総合栄養食を主食にして
バリエーションとして副食やおやつを混ぜてあげる。
選ぶ際には、原材料と成分の表示をよく見ることも大切です。
そして病気を経験した猫に対しては獣医の指示に従って食事療法食を主食に。
まずは、これらの基本を抑えることが大切だと思います。
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