猫の外飼いは無責任です。その理由を一緒に考えてみましょう。

猫の外飼いは無責任です。 猫を飼う準備

猫を飼うということは、猫の命を預かるということです。
そこには必ず責任が伴います。

猫を外に出す飼い方、いわゆる外飼いは、
この責任を果たしていると言えるのでしょうか?

僕はとても無責任な飼い方だと思います。

猫の外飼いが無責任な理由とは?

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猫の外飼いが無責任な理由

僕が外飼いを無責任だと思う理由は、2つの意味で責任を果たしていないからです。

1つは猫の命に対して、もう1つは近隣住民に対してです。
1つずつ見ていきましょう。

猫の命に対して無責任

交通事故

僕は毎日、車で通勤しています。
国道を走っていると、車にひかれて亡くなっている猫をよく見かけます。
本当に悲しいことです。

猫はいざというとき、目をつむって身を固めてしまう動物です。
咄嗟に逃げることができないのです。

そもそも交通ルールを知らない猫を外に出すこと自体、無責任としか言いようがありません。

感染症や大けが

メス猫を外に出すとオスの野良猫と交配した場合、
猫エイズなどの病気に感染する危険があります。

またオス猫同士の縄張り争いや
メスをめぐる争いから起こるケンカは、
驚くほど激しいモノになる場合があります。

あなたも物凄い唸り声をあげてケンカしている猫の声を
聞いたことがあるのではないでしょうか?

それこそ血みどろの戦いで大けがを負って、
その傷がもとで感染症にかかることもあります。

爪が目に入って白内障とか、高いところから飛び降りて骨折とか、
飼い主ならばそのあたりのリスクに対する想像力を働かせて、
猫をそういったリスクに晒さないようにしてあげたいと思うのは当たり前のことですよね。

外飼いの猫は室内飼いの猫に比べて、
平均寿命が短いというはっきりとしたデータもあります。
これもまた少し考えれば当たり前のことです。

予期せぬ繁殖

避妊手術をしていないメス猫を外飼いしているという飼い主もいます。
避妊手術は不自然とか、かわいそうとかいった理由なのでしょうか?

メス猫は1度の交尾で、高い確率で妊娠します。
そして一度に3~5匹の子猫を生みます。
すべての子猫の面倒が見れるのでしょうか?

飼い主の目の届かないところで生んだのなら、
子猫たちを待ち受けるのは過酷な野良生活です。

いずれにしても無責任な話ですよね。

人間による虐待

世の中、僕たちのように猫が好きな人間ばかりではありません。
猫が嫌いな人たちもたくさんいます。

現在は昔のような「おおらかな時代」とはまったく違うと思った方がいいです。

心無い人間から猫がどんな虐待を受けるかわかったものではありません。
目を背けたくなるような猫虐待のネットニュース、あなたも見たことがありますよね?

迷子、帰ってこないリスク

交通事故やケンカによるケガで動けなくなったり、
交尾するメス猫を探して放浪したり、

猫が迷子になったり、帰ってこなくなったりするリスクは山ほどあります。
少し想像力を働かせれば、すぐにわかることですよね。

それでも猫を外飼いするというのは、無責任以外の何ものでもないと思います。

今日は無事に帰ってきたからといって、
明日も無事で帰ってくる保証はどこにもないというのに・・・

近隣住民に対して無責任

真っ先にあげられるのは外飼いの猫が、
近隣住民の庭や花壇などをトイレ替わりに使ってしまう糞尿被害でしょう。

せっかく愛情を込めて植えた苗を掘り返されて、
その上、猫のウンコまで残されていたら、それは腹を立てて当然です。
猫のオシッコは物凄く臭いですし、本当に最悪な気分になるでしょう。

しかも猫は気に行ったトイレ場所を習慣化しますから、迷惑は毎日続くことになります。
中には目の敵にして、猫に危害を加えようとする人も出てくる可能性があります。

目の敵にされる理由が猫にはわかりません。
近隣住民にとっても猫にとっても不幸なことです。

他にも鳴き声がうるさいとか、飼っている小鳥やハムスターが襲われたとか、
飼い主の知らないところで、猫が近隣住民に迷惑を掛けているケースは山ほどあるでしょう。

現在はこういった迷惑は許されない時代になってきています。

繰り返しになりますが、世の中、僕たちのように猫が好きな人間ばかりではありません。
猫が嫌いな人、猫に恐怖心を感じる人、さらには猫アレルギーの人もいます。

そういった人たちに一方的に迷惑を掛ける「猫の外飼い」は、
やはり無責任としか言えないでしょう。

花壇に糞尿をする猫が憎くて、罠を仕掛けたり
猫にとって危険な食べ物を置いたりする人の話をネットで見たことがあります。

猫の外飼いは、今や時代にそぐわないのだと僕は思います。

それでも外飼いする飼い主がいる理由とは?

これだけ猫にとって多くの危険があるにもかかわらず、
それでも猫を外飼いする飼い主がいる理由はいったい何なのでしょうか?

1つずつ見ていきましょう。

保護した野良猫がどうしても外に出たがる

実際問題として、この理由が一番多いのではないかと思います。
保護した野良猫がどうしても外に出たがる、という理由ですね。

大きな声で鳴きわめいて「出してくれ!出してくれ!」と要求されてしまい
それに逆らうことができない飼い主もいると思います。

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無理に室内に閉じ込めておくよりも、外に出してあげた方が
猫もストレスフリーな生活ができる、そう考えるのでしょう。

この問題に関しては僕の経験上、
去勢・避妊手術をしてあげることで多くの場合解決すると思います。

僕の家ではこれまで10匹以上猫を飼ってきましたが、すべて元野良猫でした。
去勢・避妊手術をしてあげることで全員おとなしくなり、
「外に出してくれ!」と暴れるようなことはありませんでした。

猫はもともと、あちこちを歩き回りたいと思っている動物ではありません。
遠くまで出歩く必要があるのは、餌や交尾する異性を求めて放浪するときくらいです。

去勢・避妊手術をしてあげたうえで、
十分な食事と快適なトイレと、安心して眠れる場所を与えてあげたら
わざわざ猫を外に出す理由はなくなるはずなのです。

外飼いの猫も、実は家の近くの気に行ったトイレ場所と昼寝場所を
行ったり来たりしているに過ぎないのです。

運動不足の解消

確かに猫を外飼いにすると、ずっと室内で飼っているよりは
運動不足は解消するかもしれません。

しかしこの理由は、外飼いすることよって猫が晒される多くの危険と天秤にかけたとき、
あまりにも小さい理由だと僕は思います。

キャットタワーを買ってあげたり、家具の配置を工夫して上下運動しやすくしてあげたり、
フードを工夫してあげたり、猫じゃらしで遊んであげたり・・・

室内飼いでも猫の運動不足解消のために、してあげられることはたくさんあるはずです。

室内での爪とぎ回数が減る

猫の爪とぎで大事な家具などを傷つけらるのがイヤだから、
家の外で爪をとがせよう、という考えで猫を外飼いにするのなら、
これはもう飼い主の自分勝手な言い分としか言いようがないでしょう。

猫が晒される危険や、近隣住民にかける迷惑を考えることができない
無責任な飼い主と言わざるをえません。

昔は外飼いが多かった背景

確かに昔は今よりもずっと猫の外飼いが多かったですよね。

それは猫が人間から「猫まんま」と呼ばれる簡単な餌をもらいながらも、
自分でネズミや虫を捕まえて食べる、そういう生活をしていた時代の話なのです。

現在の猫はどうでしょうか?

完全室内飼いが主流で、猫は食事のすべてを飼い主に依存して生きています。
そんな今の時代に、猫の外飼いはもはや不自然なのではないでしょうか?

外飼いでも室内飼いでも、共通して飼い主がするべきこととは?

それでも猫を外飼いする飼い主は後を絶ちません。
これはもう、その人の考えですからどうしようもありません。

ただし外飼いであっても室内飼いであっても、共通して飼い主がするべきことがあります。
1つずつ見ていきましょう。

去勢・避妊手術

メス猫は交尾をすると凄く高い確率で妊娠します。
また発情期も年に2~3回と多いです。

不幸な猫を増やさないためにも、
猫を外飼いするのなら去勢・避妊手術は飼い主の義務です。

室内飼いの場合でも子猫を産ませるつもりがないのなら
去勢・避妊手術をしてあげるべきです。

発情期のストレスを大幅に軽くしてあげることができますし、病気の予防にもなります。

ワクチン接種・健康診断

外飼いであっても、いや感染リスクが高い外飼いだからこそ
年に1回は動物病院に連れていってワクチン接種や健康診断を受けさせるべきでしょう。

首輪、迷子札

外飼いの猫には首輪に迷子札を仕込んで付けてあげるようにしましょう。

迷子になったときに飼い主のもとに戻ってくる可能性が
少しでも高くなるように願いを込めて付けてあげてください。

また首輪がないと野良猫だと思われて、
最悪の場合、捕獲されて保健所行きになってしまいます。

室内飼いの場合でも、脱走や自然災害など猫が迷子になるリスクはあります。
そんなときに迷子札やマイクロチップといった身元を表示するものは、
きっと役に立つでしょう。

野良猫に餌を与えるだけの行為について

野良猫がかわいそうだからと、餌だけを与える人がいます。
これも大きな意味で「外飼い」と言えるかもしれません。

この行為は、実は猫に物凄く悪影響を与えることになります。
「ここに来れば餌がもらえる」と猫が集まると・・・

  • 縄張り争いからオス猫同士の大ゲンカが起こる
  • 猫同士の間で感染症が広がる
  • 次々に多くの不幸な命(子猫)が生まれてしまう

このように猫にとってはまさに「百害あって一利なし」なのです。

野良猫がかわいそうだから、せめて餌をあげたい。
この気持ちは僕にも凄くよくわかります。

しかし安易に餌を与えるだけの行為が、
回りまわって猫に悪影響を及ぼす現実を理解しなければいけません。

野良猫に餌を与えるのなら、家で飼ってあげる覚悟で。
それが無理なら、せめて去勢・避妊手術を。
それさえしてあげる気がないのなら、最初から見なかったことにして餌など与えないことです。

その方が余程、猫に対して責任を果たしていることになるでしょう。
とても辛い現実ですが・・・

最後に

確かに以前は、猫の外飼いは当たり前のことでした。

でも現在では外飼いをする飼い主は、
「人の迷惑を考えない、自分さえ良ければいい無責任な人」と
非難されるケースも多いですよね。

また外飼いをすることで猫自身に降りかかるリスクの大きさも以前とは段違いでしょう。

今の時代、猫の外飼いは本当に無責任だと僕は強く思います。

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