野良猫を保護したら、まずは病院へ。やるべきことと負うべき責任

野良猫を保護したら病院へ 猫を飼う準備

僕の家ではこれまで10匹以上猫を飼ってきました。
すべて元野良猫です。

野良猫を保護するのなら、自分の家で飼ってあげることが大前提。
僕はそう考えます。

そうは言っても、後のことは考えずとりあえず保護してきた。
そういう場合もあるでしょう。

いずれにしても、まずやるべきことは動物病院に連れていってあげることです。

野良猫を保護したら病院で診たもらう

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野良猫を保護したらまずやるべきこと

まずは動物病院へ

野良猫を保護したら、まずは動物病院に連れていってあげることが大切です。

自分の家で飼う場合はもちろん、里親を探すうえでも
猫の健康状態をチェックして、病気やケガがあるのなら治療する必要があります。

ただし病院によっては野良猫を診てくれないところもあります。

実際、僕の近所でも「うちは野良は診ないから」という病院がありました。
2度と行きませんが・・・

そういう病院もたまにはある、ということは知っておいた方が良いです。
初めて行く病院なら、事前に電話して確認してから行くようにしましょう。

動物病院では次のようなことを診てもらいます。

健康状態の確認

寒い時期に外にいた猫は、猫風邪にかかっていることも多いでしょう。
鼻が詰まっていないか、下痢をしていないか、現在の栄養状態などを診てもらいます。

ノミ・ダニの駆除

外にいた猫は100%に近い確率でノミをわかしています。
ノミはかゆいだけでなく、伝染病の媒介にもなるので注意が必要です。

血液検査

血液検査では主に「猫免疫不全ウイルス感染症」(いわゆる猫エイズ)と
「猫白血病ウイルス感染症」の感染の有無を確認します。

もし陽性ということであれば家ですでに猫を飼っている場合、
その猫に感染してしまう危険もあります。

便検査

便検査では腸内の寄生虫を発見することができます。
特に多い寄生虫は母乳を通して寄生する回虫と呼ばれる寄生虫です。

年齢の推測

自分で飼うにしても、里親を探すにしても
猫のだいたいの年齢を知っておく必要があります。

猫の目の状態や歯の状態をから、だいたいの年齢を推測してもらうことができます。

マイクロチップの有無の確認

マイクロチップとは猫の体に埋め込む電子タグです。
タグには飼い主の情報が記載されていますので、
迷い猫の場合はすぐに飼い主と連絡をとることができます。

その他

猫の今後のことを考えるなら、
ワクチン接種や去勢・避妊手術の相談も是非してあげてほしいものです。

本当に野良猫か?

動物病院に連れていくことの他に、もう1つ大切なことがあります。
「本当に野良猫か?」を確認する努力をすることです。

もし野良猫ではなく迷い猫だった場合、飼い主は本当に心を痛めて必死で探しているはずです。

「自分が、もしその立場だったら」という意識でしっかり確認しましょう。
具体的な方法は次のとおりです。

最寄りの警察署に確認

警察署は迷子動物の正式な届場所ですので、
飼い主が「遺失物届」を出している可能性があります。
現在の法律では猫は「モノ」として扱われるのが釈然としませんが。

最寄りの保健所に確認

警察署と違って最寄りの保健所と言われても、すぐにどこかわからないですよね?

そういう時はグーグル検索で
例えば「●●県●●市 保健所 猫」といったキーワードで検索すると、
その地域の保健所や動物愛護センターなどの情報がヒットします。

連絡して飼い主から迷い猫の届けが出ていないか確認しましょう。

インターネット・SNSの迷い猫情報の確認

グーグル検索やツイッター検索で
「●●県●●市 迷い猫」や「●●県●●市 迷子猫」といったキーワードで検索すると、
本当にたくさんの情報が出てきます。

ほとんどが迷子になってしまった猫の写真付きの情報で、
見ていると思わず涙が出そうになってしまいます。

飼い主も必死で探しているでしょう。
もしあなたが保護した野良猫と合致する情報が見つかったなら、
すぐに飼い主に連絡してあげてくださいね。

野良猫を保護した時のポイント

この記事を読んでくださっているあなたは
突然、野良猫を保護してしまって切羽詰まった状況なのかもしれません。

とりあえずは猫のために食事と水とトイレ、この3つを用意してあげれば大丈夫です。

食事、水

食事はスーパーやドラッグストアなどで売っているキャットフードで大丈夫です。
「総合栄養食」と表示されているフードと、新鮮な水道水を与えてあげればOKです。

キャットフードには固形タイプ(カリカリ)とウェットタイプがありますが、
カリカリに慣れされることができれば、その方が断然楽です。

1つ注意点としては、キャットフードには対象年齢が記載されています。
「子猫用」とか「7歳以上」とか「シニア用」といった感じです。
種類ごとに配合されている栄養価が違いますので、しっかり守ってあげましょう。

なおテレビドラマなどで、
猫に人間が飲む牛乳をあげる場面をよく見かけますが、あれは間違いです。

猫は牛乳をうまく消化できないので、下痢をしてしまう可能性があります。
与えるなら「猫用ミルク」というのが売っていますので、そちらをあげるようにしましょう。

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トイレ

本当に緊急な場合は、ダンボールに新聞紙を細く切って
たくさん敷き詰めたようなモノで代用することができます。

猫用トイレにはいくつか種類がありますが、
最初は普通の箱タイプに猫砂を入れて様子を見れば良いと思います。
人の動線から外れた、猫が落ち着いて用が足せる場所に置いてあげましょう。

猫は汚れたトイレを凄く嫌います。
排泄物はこまめに取り除いて、猫砂も適度に取り換えて、
できるだけトイレがキレイな状態を保つ努力をしてあげてくださいね。

先住猫がいる場合

先住猫がいる場合は注意が必要です。
保護した野良猫が、例えば猫エイズなどのキャリアだった場合、
安易に接触させると先住猫に感染させてしまうリスクがあるからです。

猫エイズのような深刻な病気でなくても、
外にいた猫は多くの場合ノミやダニを持っているものです。

病院に連れていって診てもらうまでは、
ケージを利用するなど慎重に対応してあげる必要があります。

落ち着ける場所

猫は体がスッポリ収まるような狭いところが大好きです。
ダンボールや大き目の洗面器にタオルや毛布を敷いてあげれば好んで使ってくれるでしょう。

場合によってはケージに毛布などを敷いて、
猫を入れっぱなしにした方が落ち着いて過ごしてくれることもあります。

風呂はひかえた方が良い

ずっと外にいて汚れた野良猫を、
風呂に入れてキレイにしてあげたいと思うかもしれませんが、
やめておいた方が良いです。

保護したばかりの野良猫をいきなり風呂に入れて洗うのはかなり無謀です。
引っかかれたり咬まれたりして大けがをするリスクもあります。

どうしてもキレイにしてあげたい場合は、お湯で温めたタオルで拭いてあげましょう。

野良猫を保護!でも飼えない場合は・・・

情けが移ってしまい野良猫を保護した。

本人は飼いたいと思っていても、例えば先住猫との相性が悪かったり、
家族に猫アレルギーの人がいたり、
いろいろな理由で飼うことが難しい状況もありえます。

先住猫との相性の問題だけなら、
猫が生活する部屋を完全に分けることで十分に飼ってあげることができます。
慣れてくれば、お互いに絶妙な距離感で共存し始めるというのもよくあることです。

しかし家族に猫アレルギーの人がいるとか、
「赤ちゃんが心配」と奥さんが訴えてくるとか、
そういう問題が起こるとやっぱり難しいですよね。

難しいからといって保護した猫を捨てるような真似は絶対にしてはいけません。
全力で飼ってくれる里親を探す責任があなたにはあります。

あなたの信頼できる友人や親戚に
里親になってくれる人がいれば、それがベストですがなかなか難しいですよね。

動物病院に相談する

あなたが通っている動物病院に相談してみるというのは1つの方法です。
僕が行っている病院にも迷い猫の情報や里親募集の貼り紙が貼ってあります。

動物病院には猫が好きな人が集まるので、保護猫に関心がある人も多いと思います。
張り紙をしてもらうことで里親になってくれる人が見つかるかもしれません。

ただし相談と丸投げは違います。
中には「うちでは飼えないから、おたくで飼い主を探してください」
みたいな人もいるそうなのです。

極端な話では、病院の入り口にケージごと猫を捨てていくという話まであります。
動物病院を慈善事業団体と勘違いする人もいるということですね。

インターネット・SNSを利用する

現在はネット時代。
「●●県●●市 猫 里親」といったキーワードでグーグル検索をすると
ネット上に情報を掲載して里親を募集できるサイトが複数見つかります。

またツイッターで「#猫 #ネコ #里親 #里親募集 #拡散希望」といった
ハッシュタグを付けてつぶやけば個人で里親を募集することもできます。

ネットを使った里親募集は細心の注意が必要です。
世の中にはいろいろな人がいます。

軽いノリで猫を飼いたいと言ってるだけの人、
もっといえば転売目的、虐待目的といった悪意のある人間もいます。
実際にそういう事件も多々あります。

ネットで見つけた里親候補の人には、
あなた自身が実際に会いに行って、人となりを見るぐらいの慎重さが求められます。

なお保健所や動物愛護センターに連れて行くという選択肢は、
殺処分と隣り合わせですので僕にはとても考えられません。

去勢・避妊手術をしてあげる

最大限の努力をしても、どうしても里親を見つけてあげることができない。
その場合は・・・

去勢・避妊手術をしてあげたうえで、保護した場所に戻す。
もうこれしかないのではないかと思います。

手術をしてあげれば、不幸な命を生まれてくることは防ぐことができます。
また性格がおとなしくなりますので
猫同士のケンカやメスを求めて放浪するといった行動も抑えることができます。
病気の予防にもなります。

もちろん野良猫を保護するからには、
自分で飼うか里親を見つける責任があると思います。

ですが、いろいろな事情でどうしてもそれができない場合は、
せめて去勢・避妊手術だけでも・・・
僕はそのように考えています。

最後に

今回は野良猫を保護した場合にやるべきことと、負うべき責任について考えてみました。

「この猫をどうしても保護してあげたい!」

猫を保護したときの優しい気持ちを忘れずに、
その猫にとってできる限りのベストの選択をしてあげたいものですよね。

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