猫の室内飼い 外に出たがる理由と対処法について

室内飼いの猫が外に出たがる理由 猫を飼う準備

外飼いだった猫や保護した野良猫を室内飼いで飼い始めたが、
外に出たいという要求が強くて困っている。
そういうケースもあると思います。

今回は室内飼いの猫が外に出たがる理由と対処法をご紹介します。

猫の室内飼い 外に出たがるのが悩み

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そもそも室内飼いの猫を外に出す必要がない理由

ひと昔前は猫の外飼いが当たり前でした。

猫は飼い主から「猫まんま」と呼ばれる残飯をもらって、
足りない栄養は、自分でネズミや虫を取って食べることで補っていました。

飼い主の方も猫がネズミを退治してくれることを期待して、
自由に外に出して飼っている面も実際大きかったでしょう。

猫は縄張り意識が強い動物です。

猫まんまをくれる飼い主の家と、
ネズミや虫がいる家の周りの狩場を行き来して、
自分の縄張りとして生きていました。

古き良き大らかな時代だったんですね。
対して現在はどうでしょうか?

現在の室内飼いの猫は栄養バランスの良いキャットフードを
飼い主から十分に与えられるようになりました。

自分でネズミや虫を取って食べる必要がなくなったわけです。
というより食事のすべてを飼い主に頼って生きています。
飼い主がいなければ食事にありつけなくなりました。

さらに家の中にはすべてが揃っています。
食事はもちろん、快適なトイレ、安全な寝場所、
猫が生きていく上で必要なモノはすべて家の中にあるのです。

家の中が安全で快適なら、そこが自分の縄張りだと猫は認識します。
わざわざ縄張りの外に出す必要などないのです。

飼い主に守られて「家の中」という縄張りの中だけで暮らすことこそが、
室内飼いの猫にとって一番幸せなことなのです。

飼い主自身がこの考えをしっかりと持っておかないと、
「猫を室内に閉じ込めておくのは不自然」とか、
「猫がいつも窓の外を見ていてかわいそう」とか、間違った思いに捕らわれることになります。

猫は飼い主のもとで完全室内飼いで飼ってあげるのが一番の幸せ。
この考えをぶれずに持ったうえで、外に出たがる猫の対策を考えることが大切です。

外飼いだった猫や元野良猫を室内飼いにする場合

子猫時代から室内飼いで、適切な時期に去勢・避妊手術を施された猫は
外に出たがることはありません。

問題は外飼いにしていた猫や、野良猫だった猫を室内飼いに変えた場合です。
猫は自分の縄張りをなかなか放棄しないからです。

いくら猫が外に出たがるからといって、外に出す回数を減らしたり、
リードを付けて散歩させたりといった方法はかえって逆効果です。

外に出るたびに猫は自分の縄張りを再確認しますから、
いつまでたっても室内飼いに移行させることができなくなります。

何とか猫の気をそらす努力は必要ですが、
最終的には、どんなに猫が出たがっても
「絶対に外に出さない」と飼い主が強く決意するしかありません。

飼い主にとっても辛い面がありますが、
それが猫の安全と幸せのためなんだという強い意志を持つことが必要です。

猫が外に出たがる理由

発情期

子猫時代からずっと室内飼いで飼っていた猫であろうと、元野良猫であろうと
去勢・避妊手術を受けていない猫は発情期を迎えると物凄い勢いで外に出たがります。

これは本能からくる行動ですから、やめさせるには手術をしてあげるしかありません。

縄張り意識

猫は縄張り意識が強い動物です。
猫の縄張りとは簡単に言うと、食事と安全を確保できるエリアということになります。

野良猫の場合なら、

  • ネズミや虫などの獲物がいて狩りができる場所
  • 餌をくれる人間がいる場所や餌になるゴミが捨ててある場所
  • 安心できるトイレ場所
  • 安心して寝ることができる場所

これらの場所を含むエリアが縄張りになります。

外飼いの猫の場合なら、食事は飼い主が家で与えてくれるわけですから
家と、安心できるトイレ場所と、安心して寝ることができる場所を含むエリアが縄張りです。

この縄張りを確認・維持するために猫は定期的に巡回して
自分のニオイを付けて回っているのです。

野良猫や外飼いの猫が急に室内飼いにされて、外に出られなくなると
この縄張りの巡回ができなくなってしまいます。

これが必死で外に出たがる大きな理由です。

ベランダや庭

例えば飼い主が猫を抱っこして庭を散歩したり、
少しくらいなら大丈夫だろうとベランダに出したりしたとします。

そのとき猫が「あ~楽しいな♪」とか「安全で快適だな♪」とか思ってしまうと
庭やベランダは縄張りになってしまいます。

飼い主が自分で「外に出たがる猫」に仕向けるようなものですので、
安易に出さない方が良いですよ。

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パニックになってしまったとき

例えば猫が寝ているときに、急に棚から置物が落下して割れてしまい
大きな音にビックリした猫がパニックを起こす、ということはありえます。

その時、不注意で窓が開いていたなら猫は飛び出してしまうかもしれません。

「外に出たがる」というのとは少し違いますが、
猫がパニックを起こすリスクは頭に入れておきましょう。

窓の外に鳥や虫がいる

これは本当によくあるパターンです。
子猫時代から完全室内飼いの猫であっても、
やはり視線の先に獲物になりうる鳥や虫が動いていると
狩猟本能を刺激されるのでしょう。

これはまったく心配する必要はありません。
「あ~鳥さんがいるねぇ」みたいな感じで背中でも撫でながら一緒に見てあげて
猫とのコミュニケーションをとる時間として活用すればいいと思います^^

猫が外に出たがるときの対処法

去勢・避妊手術

大前提として猫を室内飼いするのなら去勢・避妊手術はしてあげるべきです。
いろいろな考え方がありますから「手術は不自然でかわいそう」と思う人もいるかもしれません。

しかし本能からくる発情期の猫のストレスを考えると、
手術をしてあげないことの方が、余程かわいそうだと僕は思います。

おもちゃで遊んであげる

外に出たがる猫の気を紛らしてあげるために、
おもちゃで遊んであげるというのは一つの方法です。

外なんかに行くより、家の中で飼い主と一緒に遊んだほうが
ずっと楽しいと猫が思ってくれる努力をすることが大切です。

また抱っこしてあげたり、撫でてあげたり、
できる限りのスキンシップを試みてみましょう。

おやつを与える

ある意味、遊んであげることよりも効果が期待できるのが、おやつを与えるという方法です。
やはり「美味しいモノがもらえる」という魅力は猫にとっては絶大です。

外に出たい出たいとアピールするタイミングで、
名前を呼びながらおやつ袋をわざとカサカサ鳴らしてみましょう。

食べさせて満足感を感じてくれれば
「外に出たい」という欲求も軽減される可能性があります。

有力な方法ですよ!

多頭飼いにしてあげる

あなたの家の状況が許すのであれば、
もう何匹か猫を飼ってあげるというのも一つの方法です。

一緒に生活を共にする猫が増えることによって、
外に出たがらなくなったという例はたくさんあります。

もちろん猫同士の相性もありますし、必ず効果があるということでもありません。
そういう例もあるということを、頭に入れておいていただければと思います。

猫にとって魅力のある室内にしてあげる

猫は上下運動が大好きです。
可能であればキャットタワーやキャットウォークを設置して
室内でも猫が楽しく動きまわれるようにしてあげてください。

高さの違う家具の配置を工夫して段差を作ってあげるだけでも
猫は楽しんで使ってくれるものです。

あとはトイレをこまめに掃除して清潔に保ってあげたり
爪とぎを複数設置して、お気に入りの爪とぎ場を作ってあげたり
猫が少しでも快適に過ごせる工夫をしてあげましょう。

もちろん飼い主自身がいつも「おまえのことが大切だよ」という気持ちを猫に示し、
精一杯かわいがってあげることが何よりも一番大切なことです^^

猫を外に出すリスク

猫を外に出すことのリスクを、常に考えておく必要があります。

  • 交通事故
  • 猫同士のケンカ
  • 病気や感染症
  • 近隣トラブル
  • 悪意のある人間による虐待

現在は、以前のような「古き良き大らかな時代」ではありません。
猫を外に出すリスクは以前とは比べ物にならないほど大きいです。

今日は無事に帰ってきた猫が、明日も無事に帰ってきてくれる保証はどこにもありません。

愛する猫が車にひかれて、変わり果てた姿で道路に横たわっている・・・
そんな光景を想像すれば、怖くて猫を外に出すことなどできないはずですよね?

思わず目を背けたくなるような
残虐な人間による猫虐待のニュースもネットで目にしますよね?

それでもあなたは猫を外に出すことができますか?

●最後に

ヤフー知恵袋などの悩み相談を見ていると
できる対策はすべてやっているにもかかわらず
どうしても「外に出たい」という猫の要求が収まらない。

収まらないどころか、どんどんエスカレートしてくる。

飼い主も猫も疲れてしまって
「いっそ野良に戻してあげた方が、この子にとっても幸せなのでは?」とまで
思いつめている方がいっらっしゃいました。

同じ飼い主として、猫のことを本当に大切に考えていて立派な方だなと思います。

僕がこの方の立場だったら、どうするだろうと考えたとき、
やはり僕なら「頑なに外には絶対に出さない」という方法に徹すると思います。

先程述べた外に出すリスクを犯すことは、どうしても僕にはできないからです。

思い描いていたような猫との生活とは違っていたとしても、
なんとか猫に対しても、自分の気持ちに対しても
「折り合いをつける」努力と工夫をするべきだと思います。

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