猫を一部屋で飼うことは十分可能。習性を理解して快適な環境を作る

猫を一部屋で飼う 猫を飼う準備

ワンルームマンションに住んでいる。
あるいは、どうしても家や家具を傷つけられたくないので、猫を一部屋だけに限定して飼いたい。
そういう場合もあると思います。

結論から言うと、猫を一部屋で飼うことは十分可能です。
猫の習性を理解して、猫が暮らしやすい環境を作ってあげましょう。

スポンサーリンク

縄張り意識という習性

猫を一部屋で飼うために
僕はこれまで10匹以上猫を飼ってきましたが、
つくづく思うのは猫は「いつもと一緒」の環境を愛する動物だということです。

安全で安心できる環境であれば、昨日も今日も、そして明日も
その安心できる場所で、ずっと静かに暮らしていたいと思ってるものなのです。

元来、猫は広い範囲を歩き回りたいと思ってはいません。
放し飼いの猫にしても、外のトイレ場所や昼寝場所に通っているだけです。

食事を与えられて、快適なトイレや昼寝場所があるのなら
家の中だけで暮らした方がずっと楽ですし、わざわざ外に出かける必要なんてないのです。

たとえ一部屋であっても、そこが猫にとって安全で安心できる場所なら
その部屋が猫にとっての縄張りになります。

猫は縄張りの中にいる限りリラックスして過ごすことでき、
縄張りの外に出た途端に不安になり緊張するという習性を持っています。

ですからよほどのことがない限り、縄張りの外に出ようとはしないものなのです。
出るとしたら

  • 発情期で異性を求めるとき
  • 餌を求めて放浪せざるを得ないとき
  • 猫同士のケンカに負けて逃げるとき

といった状況のときになりますが、避妊・去勢手術をしたうえで、
きちんと室内で飼ってあげれば縄張りの外に出る理由はなくなりますよね。

このように猫を一部屋で飼ってあげることは十分に可能です。

完全室内飼いが常識

今の時代、完全室内飼いがもはや常識です。
放し飼いは猫にとってリスクが大きすぎます。

  • 交通事故
  • 行方不明
  • 猫同士のケンカ
  • 感染症や病気
  • 猫嫌いの人間による虐待

放し飼いは猫の命の危険を常に伴います。

放し飼いの猫の平均寿命は13.2歳なのに対して、
外に出さない室内飼いの猫の平均寿命は約16歳と2年以上長いという調査結果もあります。

また完全な野良猫の平均寿命は4、5年とも言われていて、外での生活がいかに危険で過酷なものかがわかります。

猫の安全を第一に考えるなら怖くて外には出せないですよね。
完全室内飼いはもはや常識です。

猫が窓の外を眺める理由

室内飼いの猫が窓の外を眺めてる時って結構多いですよね。
「外に出たいのかな」と心配する飼い主も多いですが、決してそんなことはありません。

僕の経験では、たいてい猫の視線の先には鳴きながら飛んでいる小鳥がいます^^
猫は動くものが大好きですので、鳥や虫を見て好奇心を満たしているのです。

また室内飼いの猫にとって、窓は自分の縄張りと外の世界との境界線。
安全な窓の内側から外の世界を観察したり、チェックしたりという理由もあります。

いずれにしても好奇心を満たしてるだけで、外に出たいと思ってるわけではないのです。
その証拠に次の瞬間には、何事もなかったかのようにリラックスして目を閉じていることも多いものです。

猫が快適に過ごせる環境づくり

猫を室内で飼えば、家の中が猫にとって安心できる縄張りになるので
たとえ一部屋でも十分飼ってあげることが可能だということを述べてきました。

完全室内飼いの猫にとっては、あなたの家の中だけが唯一の世界になる訳ですから、
できるだけストレスがない、安心して暮らせる快適な環境を作ってあげることは
飼い主の大切な責任になります。

一つずつ一緒に見ていきましょう。

トイレ

猫を飼うにあたってトイレは凄く大切です。

猫は凄くキレイ好きで神経質。
トイレが汚いと使わずに違う場所でしてしまういわゆる粗相(そそう)の原因にもなります。

また排せつを我慢してしまって膀胱炎などの病気になってしまう猫もいます。
それくらい神経質な猫もいるということは知っておいてあげてくださいね。

できる限りトイレはいつもキレイにしてあげて、猫砂もこまめに取り換えてあげる必要があります。

トイレの置き場所も大事です。
人の動線から外れた、できるだけ猫が落ち着いて用を足せるところに置いげあげてください。

ちなみにトイレの数は、猫の数+1個が理想だと言われています。
まあ1匹でしたら1つでいいと思いますが^^

食事、水

キャットフードの中でも「総合栄養食」は、猫に必要な栄養がすべて含まれています。
ですから基本的に総合栄養食と水を与えてあげればOKです。

大事な注意点としては、キャットフードには猫の年齢によって種類があるということ。
子猫用とか1歳未満、7歳以上、シニア用といった種類がありますので、
あなたの猫に合ったフードを選んであげてください。

種類によって配合されている栄養価が違いますので、
しっかり守ってあげないと猫の体に良くない影響を与えてしまいます。

食事とともに水をたっぷり準備してあげることも大切です。
猫に多い尿に関する病気を防ぐためにも、水はたくさん飲んでもらいたいところです。

水飲み用の食器を部屋のあちこちに複数置いたり、
カリカリだけでなくウェットフードも与えたりといった工夫をしてあげてくださいね。

食器

猫は神経質ですから食器が気に入らないとフードを食べなくなってまうことがあります。

フード用の食器も水飲み用の食器も、ヒゲが当たらない程度の大きさで
猫が食べているときに動かないくらいの重みがある安定したものを選んであげてください。

プラスチック製は嫌う猫も多いので、ステンレス製や瀬戸物が衛生的でオススメです。

また老猫の場合は屈まずに食事ができるように、小さな台の上に食器を置いてあげれば喜びますよ。

爪とぎ

猫の爪は人間と違って薄い層がいくつも重なってできています。
猫が床や壁をガリガリと引っかくのは、古くなった表層の爪をはがしたいからなのです。

また足の裏のニオイをつけて「ここはオレの縄張り」と主張するマーキングの意味もあります。

スポンサーリンク

このように爪とぎは猫の本能ですから、やめさせることは絶対にできません。
ダンボール製、木製、布製などいろいろな種類の爪とぎが売っていますので、
順番に試して猫が気に入って使ってくれものを見つけてあげてください。

どうしても爪とぎされたくない場所には、保護シールを張ったり猫を入れなくしたり、
物理的に爪とぎをできなくする工夫をしなければいけません。

「猫を飼ったのだからある程度は仕方ない」と割り切ることも必要になってきます。
間違っても猫をキツク叱ったりしないであげてくださいね。

猫はどうして叱られているの理解できませんし、飼い主に対して恐怖心を覚えるだけで、
なんの解決策にもなりません。

上下運動

猫は広いところを走り回るよりも、高低差がある環境で上ったり下りたりする運動の方が好きな動物です。

キャットタワーを用意できれば、もちろんそれに越したことはないですが、
家にある家具の配置を工夫しても良いですし、
高さの違う収納ボックスを階段のように配置してあげるだけでも猫は喜んで使ってくれます。

落ち着ける場所を作ってあげる

高いところ

猫は高いところが大好きです。
タンスの上や冷蔵庫の上といった高いところにダンボールを横にして置いて、
中に毛布でも敷いてあげれば喜んで寝てくれますよ。

狭くて囲まれた場所

猫は高いところの他に、狭いところや身を隠せるような囲まれたところも大好きです。
小さめのダンボールにタオルを敷いてあげたりすると喜んで中に入ってくつろいでくれます。

またベッドの下とか押し入れの中とか暗くて狭いところに、
猫がくつろげる場所を準備してあげると良いですよ。

日当たりが良い場所

猫は日光浴も大好きです。
日の当たる窓辺などにタオルを敷いた箱などを置いてあげると喜んでくれます。

日光浴をすることで体内時計を調整したり、血行が良くなったりして体調にも良い影響があります。

おもちゃで遊んであげる

1日に15分程度は猫じゃらしなどのおもちゃで猫と遊んであげる時間を作ってあげたいものです。
ただし「義務」になってしまったら長続きしませんよね。
飼い主自身が楽しめる気持ちの持って行き方が大事になってきます。

そのためにも猫じゃらしを使うときは感情移入すると良いですよ。

自分がネズミになったつもりで速さに変化を交えて動かしてみたり、
バッタになったつもりでピョンピョン飛び跳ねさせたり、
弱った小鳥のように、ゆっくりスーッと動かして、猫が近づいてきたら突然サッと逃げてみたり。

猫じゃらしをただ機械的に振るのではなく、
できるだけ感情移入して、猫と気持ちのキャッチボールを楽しむ意識になれれば素敵ですよね。

お手入れ

猫のお手入れといえば真っ先にブラッシングが思い浮かぶでしょう。
でもブラッシングが大変だなと思ったら「手ぐし」でも構いません。

毛の向きに沿って背中とか顔とか手ぐしで優しく撫でてあげると
猫は目を細めて本当に喜んでくれますよ。

そういったお手入れは、猫と気持ちを通わせるかけがえのない時間になりますし、
毎日猫の体を隈なく触ってあげることで、異常の早期発見にも役立ちます。

リスク回避

猫を室内だけで飼うと、放し飼いにするような危険に晒さずに済みます。
しかし外に出さなければ絶対安全かといえば、そんなことはありません。
家の中にも危険はいっぱいあります。

先の尖ったモノやひも状のモノを誤って食べてしまったり、
コードをかじって感電、ドアに挟まれて大けが、風呂場や洗濯機での悲しい事故、やけど・・・

想定できるリスクに対して、できる限りの対策をしてあげたいものですね。

脱走

成熟したオス猫が異性を求めて脱走してしまうことがあります。
これは本能からくる衝動的な行動ですから去勢手術をしてあげることで防げます。

他に気を付けてあげたいのがアクシデントで脱走してしまうケースです。

  • 飼い主が帰宅した際、ドアを開けた途端に飛び出す
  • うっかり窓を閉め忘れたなどの、ちょっとした飼い主の不注意
  • ベランダに飛び出して落下
  • 移動中の不注意でキャリーバッグから脱走

子猫時代から家で飼っていた猫より、長年外で暮らしていた野良猫を保護した場合の方が脱走のリスクは高いでしょう。

一度脱走してしまうと、もう二度と戻ってこない。
それくらいの覚悟で気を付けてあげたいものですね。

去勢・避妊手術

猫を室内で飼っていて、子供を産ませるつもりがないのならば
去勢・避妊手術をしてあげるべきです。

「手術をするのはかわいそう」という声もありますが、
手術をしないまま本能的な欲求を理由もわからず我慢させられる方が、
猫にとってはよほど残酷なことです。

去勢・避妊手術をしてあげると、発情期の興奮や、
それに伴うストレスが軽減されて猫は穏やかな性格になります。

オスがニオイの強い尿をあちこちに吹きかけるスプレー行動をしたり、
メスが甲高い大きな声で鳴き続けたりといった発情期特有の行動も見られなくなります。

また避妊手術をしてあげることで、
メスによく見られる生殖器の病気を防ぐことができるのも大きなメリットです。

多頭飼いの注意点

猫を一部屋で飼っていて、新しく猫を迎えたいという場合は注意が必要です。

元々いる猫と新しく迎える猫が仲良くなってくれたら良いですが、
相性の問題もありますので必ず仲良くなってくれるとは限らないからです。

どうしても相性が悪くてケンカばかりという場合は、
猫同士の居住空間を分ける必要も出てきますが、一部屋で飼うとなるとそれも不可能ですよね。

猫によってはストレスで体調を壊すこともありますので、
こういう場合は慎重に考えてあげてくださいね。

最後に

猫はハムスターのようにケージの中に閉じこめて飼うことはできませんが、
一部屋に限定して飼うことは十分に可能です。

お互いに飼い主として猫の習性を理解して、
猫がストレスなく快適に暮らせる環境づくりをしてあげたいものですね。

▼PICK UP▼
猫を飼うためには「モノの準備」と「心の準備」の両方が必要です。

▼こちらの記事もどうぞ▼
猫の室内飼い 外に出たがる理由と対処法について

猫の運動不足を解消する方法 遊んであげる&キャットタワー

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました