猫の老化のサインを見逃さないで!シニア期っていつから?

猫のシニア期はいつから? 高齢猫を大切にしてあげたい

室内飼いの猫の平均寿命はだいたい15歳、人間の寿命はだいたい80歳だとすると、
猫は人間の5倍以上の速さで年を取っていくことになります。

少し前までゴム毬のように走り回っていた子猫も、
いつの間にか飼い主の年齢を追い越していきます。

少し寂しく感じますが、だからこそ飼い主は
シニア期に見られる老化のサインを見逃さないよう
心がけてあげなくてはいけません。

猫の老化のサインを見逃さないで

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猫の老化は何歳くらいから始まるのか?

猫の一生を年齢ごとに区分すると「子猫期」、「成猫期」、
そして「シニア期」の3つに分けられます。

子猫期は誕生から満1歳になるまで、
満1歳を過ぎて体力・精神が安定してくると成猫期に入ります。

そして7歳を過ぎると「シニア期」を迎えます。
まだまだ見た目には変化は分かりにくいですが、さまざまな老化のサインが現れ始める時期です。

猫の老化のサインをチェック

一般的に現れる猫の老化のサインには次のようなものがあります。

毛・皮膚に現れる老化のサイン

猫に見た目の老化が現れやすいのは、まず毛と皮膚です。

毛の変化としては、新陳代謝が悪くなったり栄養不足が原因で、
抜け毛が増えてパサついてツヤが無くなります。
フケが目立つこともあります。

老化で毛づくろいもおっくうになってあまりしなくなるので、
毛のパサつきにさらに拍車がかかります。
毛が束状に割れる「毛割れ」ができてしまうことも。

何となく白っぽい毛が増えるのは人の白髪と同じことです。

皮膚もだんだんとうるおいが無くなり黒ずんできたり、
肉球も弾力が無くなり硬くなってしまいます。

目に現れる老化のサイン

年を取ってくると若いころのように前足で顔を洗うことをしなくなります。
ですから大きな目やにを付けたまま過ごしていることが多くなります。
早めに早めに取り除いてあげましょう。

目やにが大きくなって固まってしまうと、
取ろうとすると痛がって嫌がってしまいます。
そのようなときは濡れたティッシュなどで優しく拭き取ってあげましょう。

うちの11才のメス猫(冒頭の写真の猫。美人です!)も最近、
黒い目やにを付けたままのことが多いんですよね。
見た目はまだまだ若いのですが、人間だとすでに60歳を超えています。
老化のサインの表れなんですね。

また目に膜がかかったような症状が見られるときは要注意です。
白内障などの目の病気の可能性もあります。
すぐに動物病院に連れていって診てもらってくださいね。

【うちの猫の場合】
11歳、メス猫、名前は栗ちゃんです。
最近、目やにを付けていることが増えてきました。
子供の頃は文字とおり玉のように可愛らしかったです。
今でも変わらず美人さんです^^

猫の目やに

口・歯に現れる老化のサイン

歯における一番最初の老化のサインは犬歯(キバ)に現れます。
犬歯(キバ)の先がすり減って丸くなっていくのです。
その後、門歯と呼ばれる小さな前歯が抜け、他の歯もだんだん抜けていってしまいます。

また口臭が強くなるのも老化のサインです。
歯の衰えや口臭は歯周病や口内炎が原因になっていることが多いです。

猫が食事を食べにくそうにしていたら一大事です。
一気に老化が進んでしまう危険があります。
早め早めに動物病院に連れていってあげてくださいね。

爪に現れる老化のサイン

猫が若いときから飼い主が爪を切ってあげる習慣があれば良いのですが、
そうでない場合は爪にも注意が必要です。

年を取ってくると猫はあまり「爪とぎ」をしなくなるのです。
その結果、爪が伸び放題になり肉球に食い込んで出血したり、
痛がっておかしな歩き方をしたりすることもあります。

もしそうなったら飼い主だけで処理しようとせず、病院で診てもらいましょう。

また爪を引っ込めることをせず、出しっぱなしにしていることが多くなります。
カーテンやじゅうたんに引っ掛けて、思わぬケガをしないように注意してあげましょう。

動作に現れる老化のサイン

老化は体の部位だけでなく猫の動作にも現れます。
体の機能の衰え、筋力の衰えなどが原因です。
若いときには当たり前にできていたことが、できなくなってきます。

1日中寝ていると言ってもいいほど寝ている時間が長くなります。
また若いときのようにじゃれたり、遊んだり、勢いよく走りまわったりしなくなります。

体が疲れやすいこともあるでしょうし、
少しでもエネルギーを使わずに生きようとする本能なのかもしれません。

今まで上がれていたタンスの上などの高いところに上がれなくなったり、
また逆に高いところから下りるのを躊躇したりするようになります。

動きがゆっくりになり、よろけることも増えてきます。
運動神経のかたまりのようだった子猫時代を知る飼い主としては寂しい気持ちににさせられます。

さらに老いが進むと、意味もなくウロウロと徘徊したり
「アオーン」という感じの抑揚のない声で鳴いたりする場面も出てきます。
痴呆の症状の一種なのでしょう。

トイレ(排泄)のときに現れる老化のサイン

猫は年を取ると多かれ少なかれ腎臓に障害を持つようになる動物です。
ですので、水を飲む量が増えてオシッコの回数も多くなります。

ウンチを出すのが大変になり、トイレにいる時間が長くなる状態もよく見られます。
これは腸の働きが弱くなったり、全身の筋力が低下したりするのが原因です。

排泄のときに猫があまりに辛そうにする場合は、
何かしらの病気の可能性もありますので動物病院で診てもらってください。

また老化に伴って「そそう(尿漏れ)」をしてしまうという問題も出てくるでしょう。
そそうに関しては一概にボケたのだと決めつけるのは良くないかもしれません。

何らかの体の不調が原因になっていることもありますので病院で検査を受けさせてあげましょう

体重に現れる老化のサイン

年を取ると基礎代謝が落ちるため、食欲があるうちは太りやすくなります。

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しかし15歳以上の高齢猫になると、あまり食べられなくなってやせる傾向があります。

このようにシニア期の初期は肥満、後期はやせすぎに注意が必要です。
なおシニア後期なのに異常に食欲が増えた場合は病気の可能性があります。

飼い主ができるケア

もうけっして若くはないシニア期に入った猫。
健康に毎日を過ごして長寿を目指すためにも、
シニア猫にできるケアの仕方を知っておきたいですよね。

年を取るのは猫も人間も同じです。
僕たち飼い主が気を配って、老い始めた猫が心地よく安心して暮らせるような環境を作ってあげなくてはいけません。

【うちの猫】
11歳メスの茶トラ白。
名前は栗ちゃんです。
人間で言えば還暦を過ぎています。
ずっと元気でいてほしいです^^

猫の安心

食事内容を見直す

シニア期に入ったら、シニア猫用のフードに切り替えてあげましょう。

ただし一気に切り替えてしまうと食べなくなってしまうこともあるので
今まで食べていたフードに少しずつシニア用のフードを混ぜて
時間をかけて切り替える方法がおすすめです。

食べにくそうにしている場合は、ウェットフードを上げたり、
フードをお湯でふやかしてあげたり、すり鉢ですり潰してあげたりといった
工夫もしてあげてくださいね。

スキンシップを大切に

年を取ると毛づくろいの回数がどうしても減ってしまいます。
ですから飼い主がブラッシングしてあげてください。

今までブラッシングをしていなかった猫は、全身をなでてあげるだけでも良いのです。
たくさんなでてあげると血行も良くなるので健康増進にも効果があります。
また「しこり」などの体の異変にも気づきやすくなります。

体が汚れている場合はシャンプーは負担がかかってしまいます。
蒸しタオルで拭いてあげるだけでも、だいぶキレイになります。

スキンシップは猫の精神的な効用も大きいです。
短い時間でも構いません。
毎日「おまえのことを大切に思っているよ」と伝えながら目を見て優しくなでてあげれば、
何歳になっても猫は嬉しそうな表情を返してくれるものです。

また、ほんの少しの時間でも良いので、遊んであげる時間を作ってください。
もちろん子猫時代のように走り回って遊ぶことはないでしょうが、
飼い主の動きに合わせて視線を上下左右に動かすだけでも、それなりに効果があります。

【うちの栗ちゃん】
「ずっと元気でいてね」と目を見ながら撫でてあげると
ゴロゴロ言いながら見つめ返してくれます^^

シニア猫にスキンシップ

環境の工夫を

老化による筋力の衰えで、トイレのヘリをまたぐことが億劫になる場合があります。
トイレを浅いモノに変更し、タオルなどで踏み台を設置してあげると良いでしょう。

また、シニア期に入ると少しずつジャンプが億劫になります。
若いころは簡単に上ることができていた場所に上れなくなったり、
上れたとしても下りるのが危険だったりという状況も出てくるでしょう。

家具やダンボールを階段状に配置して段差を作ってあげると良いですよ。
上り下りが楽になれば、行動が制限されずストレスも軽減されます。

【うちの場合】
イスと小さい棚と本棚で段差を作って、一番高いところに毛布を敷いています。
結構みんな気に入ってくれています^^

家具の配置を工夫して段差を作る

シニア猫がかかりやすい病気

猫が年を取ると若いころよりも病気にかかりやすくなるのは人間と一緒です。
中でも私たち飼い主が知っておくべき病気の筆頭は慢性腎不全です。
この病気にかかる猫がとても多いからです。

腎臓は、血液から老廃物をろ過して尿を作る器官です。
大量に作られた尿をそのまま排せつしてしまうと、
猫はひどい脱水症状に陥って亡くなってしまいます。

そのリスクを避けるために腎臓の働きで尿から水分を再吸収するのです。
この再吸収によって濃縮された濃い尿が作られます

猫はもともと砂漠地帯で生息していました。
少ない水を体内で有効活用できるように、この尿を濃縮する腎臓の機能が発達したわけです。

猫が慢性腎不全にかかると、最初に尿を濃縮する機能に問題が出ます。
うまく濃縮できなくなるのです。

そして、ゆっくりとこの病気が進行するうちに、
血液をろ過する能力にも支障が出るようになります。

尿を濃縮する機能が低下するということは、濃い尿が作れなくなる、
すなわち薄い尿が大量に出るということです。
オシッコをする回数も増えます(多尿)。

また、大量の尿が出てしまうわけですから、水を多く飲むようになります(多飲)。
飼い主が知っておくべきことは、猫が慢性腎不全にかかると、
最初に多尿と多飲という症状が見られるということです。

この病気は、残念ながら完治するということがない病気です。
しかし、早期に適切な治療を受ければ、現状を維持したり進行を遅らせることはできます。
元気な状態で長生きできる可能性だってあるのです。

そのためにも、少しでも気になることがあれば、
早め早めに動物病院に連れて行ってあげてください。

最後に

猫は子猫時代は母猫に甘えて暮らします。
野良猫なら、子離れの時期に親子の縁を切られてしまって
一人で生きていくために精神的にも大人に成長します。

それに比べて去勢・避妊手術を受けてずっと室内で飼われている猫はどうでしょうか?

子猫時代からずっと飼い主に甘えて暮らします。
子離れの時期もありません。

シニア猫になっても、高齢猫になっても
精神的にはずっと子猫時代のまま飼い主に甘えているのです。

そう考えると、とても愛おしいですよね。
できる限り大切にしてあげたいものです。

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