猫はいろいろな方法で気持ちを飼い主に伝えています。
今回はしっぽ、耳、ひげの部位ごとに、さらに鳴き声も含めて
猫の感情表現の仕方を、写真をふんだんに使いながら詳しく解説します。
少しですが、うちの猫たちも登場しますよ^^
しっぽに表れる猫の感情
体のバランスを取ったり、猫同士のコミュニケーションに使われたりする猫のしっぽ。
ポーカーフェイスを保っていても、猫のしっぽは気持ちと連動して動くものです。
しっぽに表れる猫の感情を見ていきましょう。
まっすぐピンと立てる
しっぽをまっすぐピンと立てながら近づいてくるのは、親愛の情を感じている証拠です。
「嬉しい」「甘えたい」という気持ちの表れですから、優しくなでてあげたら喜んでくれますよ。
もともとは子猫のとき、排泄後に母猫にお尻を舐めてもらっていた名残だと言われています。
自然に下がっている
しっぽに力が入っていなくて自然に下がっているのは
穏やかで落ち着いた気持ちを表しています。
リラックスしている状態です。
うちの太郎が凄くリラックスしてるときの写真です^^
栗ちゃんもリラックス♪
ブンブン振る
犬の場合は喜んでいるときにしっぽをブンブン振りますが、猫の場合は意味が違います。
猫がしっぽを激しくブンブン振るのはイライラしているときです。
イライラがさらに募ると、しっぽを床にバンバンとたたきつけることも・・・
ボワッと膨らませる
驚きや恐怖を感じたときや、相手を威嚇しようとしているときは
しっぽの毛を逆立ててボワッと大きく膨らませます。
まるでタヌキのしっぽのようです。
自分を大きく見せるために腰を高く持ち上げ、強気を全面に押し出します。
股の間に巻き込む
しっぽを股の間に巻き込んでいるときは恐怖を感じているときです。
まさに「しっぽを巻いた」状態です。
耳を伏せ、身をすくめて全身で恐怖を表します。
写真の猫のように、しっぽを股の間に巻き込んでいなくても、
体を小さくしてしっぽを体のそばに引き寄せているときは、
恐怖を感じているときです。
しっぽの先をリズミカルにゆっくり動かす
飼い主に撫でてもらったりしてリラックスして満ち足りた気持ちのときは
しっぽの先をリズミカルにゆっくり動かします。
イライラしているときの「ブンブン」とは明らかに違った振り方です。
耳に表れる猫の感情
猫はまるでパラボラアンテナのように、
クリンクリンと自由に耳を動かすことができます。
こうすることで人間には聞こえないような小さな音を聞き取っているのです。
また聞くという目的以外でも、猫の気分で耳の向きは変わります。
リラックスしているとき
落ち着いてリラックスしているときは、耳は正面からわずかに外を向いています。
力が入っていない自然な状態です。
写真はうちのレンです。
8歳オス、とても人なつこい猫らしい猫です^^
興味深々のとき
耳をピンと立ててまっすぐに前に向けているときは
興味のあるものに集中して、ジッと観察してるときです。
警戒したり怒ったりしているとき
耳を横に向けたり後ろに反らしたりしているときは
警戒したり怒ったりしているときです。
顔の表情も明らかに緊張感が感じられます。
うちのレンも、たまには緊張感のある顔をすることもあります^^
恐怖を感じているとき
耳を平たく倒しているときは、恐怖を感じているときです。
相手に自分を小さく弱く見せたいという気持ちが表れているのです。
攻撃されて耳を傷つけられないよう伏せるという意味もあります。
ひげに表れる猫の感情
狭い場所を通れるかどうか判断したり、平衡感覚を保ったり・・・
言ってみれば猫のひげはセンサーの役割を果たしています。
同時にしっぽや耳と同じように、気持ちがよくあらわれる部位でもあります。
リラックスしているとき
リラックスして気持ちが落ち着いているときは
ひげは重力に逆らわずに自然に下に垂れています。
センサーであるひげを特に使う必要はないということですね・・・
興味深々のとき
獲物やおもちゃなどに興味を引かれたときは
情報収集をするためにセンサーであるひげをググっと前に向けます。
耳をピンと立て目を大きく開けて全力で集中している表情です。
嬉しいとき、気分が良いとき
嬉しいときや気分が良いときは、ひげはやや上向きになります。
時計でいえば10時10分の針の向きです^^
写真はうちの栗ちゃんです。
11歳メスです。
子猫時代は玉のように可愛らしい女の子でした。
そんな栗ちゃんもシニア世代。
元気で長生きしてほしいです^^
鳴き声に表れる猫の感情
もちろん猫は言葉を話すことはできません。
ニャーとしか言えません。
でもそのニャーにいろいろなバリエーションを付けて
感情を表現しているものです。
ニャー、ニャオ
もっともポピュラーな猫の鳴き声ですね。
もともとは子猫が母猫に「寒いよぉ」「お腹すいたよぉ」と
何かを訴えるときの声です。
野良で大人になると、自然とあまり鳴かなくなるのですが、
幼いころから人間に飼われていると、飼い主のことを母猫のように思って
いつまでも子猫気分でニャーニャーと鳴くことが多くなります。
ニャァ~~ン、ウニャァ~~ン(語尾を伸ばす)
もともとは子猫の鳴き声だったニャーという声は
飼い主との生活の中でいろいろな意味を持つようになっていきます。
ごはんが欲しい、甘えさせてほしい、ここを開けてほしい・・・
飼い主にいろいろな要求や主張をするために鳴くようになってきたわけです。
鳴くことによって飼い主が猫の要求したとおりの行動をとると、
「こういうふうに鳴いたら言うことを聞いてくれるんだ」とどんどん学習していきます^^
ニャッ(短め)
人間でいえば「オッス」っていう感じですね。
もともと猫同士のあいさつは、鼻をくっつけるといったボディランゲージが主体です。
人間と暮らすようになって、鳴いた方が人間の気を引きやすいため、
どんどん鳴き声のバリエーションを増やしているんですね。
ゴロゴロ
優しくなでてあげたりすると、猫は「ゴロゴロ、ゴロゴロ」とのどを鳴らします。
もともとは母猫に甘えている子猫が安心感や満足感を伝える手段でした。
家で飼われている猫は飼い主が母猫代わりなので、子猫気分で甘えているんですね。
ケケケケ
「ケケケケ・・・」と猫が鳴いているときは、たいてい窓の外を見ています。
視線の先には鳥や虫などがいることが多いです。
獲物を見つけた!捕まえたい!でも捕まえられない・・・
そういう心の葛藤から、この変わった「ケケケケ・・・」という声を出すと言われています。
うちのレンが窓の外を見ています。
視線の先にはたいてい鳥がいます^^
ケケケケと鳴くのはまさにこの状況のときです・・・
シャー
口を大きく開けて牙をむいて「シャー」と鋭く鳴くことがあります。
これは相手を威嚇して遠ざけようとしているのです。
「それ以上近づくな!近づくと攻撃するぞ!」と強い気持ちで警告します。
強気のときは堂々としていますが、弱気のときは耳を倒して腰が引けていたりします。
いずれにしても相当切羽詰まった状況でないと出さない声です。
最後に
表情筋が発達していて表情が豊かな動物は意外と少ないものです。
人間を含むサル類と犬類、そしてネコ類だけなんですよ。
確かにウサギもハムスターも可愛い顔をしていますが、表情は乏しいですよね。
今回はしっぽ、耳、ひげ、鳴き声と個別に猫の感情表現の仕方を紹介してきましたが、
実際は顔の表情や全身の姿勢を含めて「トータル」で感情を表現します。
見れば見るほどに猫は感情豊かな動物です。
いろいろな表情で気持ちを伝えてくれます。
飼い主である僕たちも、猫の豊かな感情を読み取って
尊重してあげる気持ちを、いつも持っていたいものですよね。
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